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やり投げは過去に回転投法があったがなぜ廃止されてしまっったのか

この記事で分かること

・やり投げには回転投法があった。
・回転投法が禁止になった理由。

投てき種目には、「やり投げ」「砲丸投げ」「ハンマー投げ」「円盤投げ」と4種類ありますが、やり投げだけ1種類の投法しかありません。

例えば砲丸投げなら、「グライド投法」「回転投法」、円盤投げなら「スタンディングスロー」「ハーフターン投法」「フルターン投法」といった投げ方があります。

しかし、不思議なことにやり投げに至っては、たった1つの投げ方しか存在しません。

今回は、その理由についてみていきましょう。

やり投げにも回転投法があった

現在のやり投げの投げ方は、助走からクロスステップをつけながら、やりを前方に放つといった投げ方が一般的だと思います。

しかし、現在の投げ方とは全く違った「回転投法」といった投げ方が世界に存在していたというのをご存知でしょうか。

僕もやり投げをしていましたが、やり投げの「回転投法」を想像したことは1度もありませんでした。

やり投げの「回転投法」を考えるとすると、円盤投げのフォームに近いものだと考えることができます。

投げる方向に対して背を向け、そこから一気に体を捻ることにより、やりを飛ばすための推進力を生み出しています。

現在の投げ方のように、助走をつけてスピードを生み出すことはできませんが、回転によって生まれる遠心力を使った投げ方は、当時強力だったそうです。

この回転投法が使われていたのが、1950年代の頃で、この回転投法を用いて当時の世界記録をマークしているのです。

当時の世界記録は、86m04だったらしいのですが、この「回転投法」で投げ、100m以上の記録を投げたと言われており、現在の世界記録をも上回る記録ですから、とてつもない威力を持った投げ方だったと想像できます。

現在の男子やり投げの世界記録は1996年にチェコのヤン・ゼレズニー選手がマークした98m48

 

回転投法が禁止になった理由

やり投げの「回転投法」が禁止になった理由はシンプルで、そりゃ100m以上飛距離を出す強力な投げ方ですので、観客席に飛んで行く確率が高いため、「危険だから」という理由で禁止にされました。

円盤投げやハンマー投げの「回転投法」にあっては、ネットに囲まれているところで投げるため失敗しても安心だと言えるでしょう。

砲丸投げにはネットのような安全面は配慮されていませんが、失敗してもグラウンドを越えることはありません。

しかし、やり投げの「回転投法」はもちろんネットのようなものはありませんし、失敗すると100m以上の飛距離を出すことが可能な投げ方ですので、グラウンドを超え、観客席まで飛んでいく可能性が十分にあります。

以上の観点から、やり投げの回転投法は「危険」という理由で廃止されることになりました。

 

まとめ

まとめ

・やり投げには回転投法が存在した。
・やり投げの回転投法はとても強力な投げ方のため好記録が生まれていた。
・威力が凄まじい投げ方のため「危険」と判断され、廃止された。

 

やり投げには回転投法が存在していましたが、今は禁止されています。しかし、将来、やり投げにも新たな投げ方が誕生するかもしれませんね。