トレーニング

やり投げ競技における風が及ぼす影響について

この記事で分かること

・やり投げにおいて風がどう影響するのか。
・なぜ向かい風の方が有利なのか。
・やり投げにおいては追い風、向かい風の記録されない理由。

やり投げにおいて風の影響は飛距離に関係すると思います。

 

一般的には、物を遠くに投げるのに向かい風の方が不利のように思えます。

 

しかし、やり投げに至っては向かい風の方が有利だと言われることが多いんです。

なんで逆から吹く向かい風の方が有利なのかお分かり頂けますか?

 

その理由は、やりという投擲物の独特な形状に秘密が隠されています。

 

ボールなどの丸い形状をした物は風の空気抵抗を受けやすいですが、やりは先端が非常に鋭利なので空気抵抗をほとんど受けません。

 

つまり、いくら強い風が吹いても風向きと並行に投げている限りは、空気抵抗を最低限に留めることができるのです。

 

そこで今回は、やり投げが風にどう影響するのかを解説していきます。

それではいってみよう!!!

 

なぜ向かい風の方が有利なのか?

どうして向かい風の方が有利なのでしょうか?

その理由は、

・向かい風を受けることで揚力を生む
可能性があるからです。

揚力とは、飛行機が空中を飛ぶために必要な力と同じ物です。

 

真正面から来た風を下向きに流すことで、いわば真上に飛ばされているという状態を作り出すというわけです。

向かい風の中で投げるやりも、この揚力が生じることがあります。

 

やりは基本的に斜め上を飛んでいくため、先端は風を切り裂き、胴体は風を受けて揚力を生み出します。

この揚力は無風状態でも発生しますが、向かい風が強ければ強いほど高まるため、やり投げにおいて向かい風の方が有利というわけなんです。

 

やり投げにはなぜ追い風、向かい風の記録がされない理由

100m走などの短距離種目、走り幅跳びなどの跳躍種目には、追い風と向かい風の記録があります。

また、追い風2.1メートル以上の風が吹くと、参考記録となってしまい、公認の記録にすらなりません。

 

しかし、やり投げに限らず、投擲種目には追い風と向かい風の記録がありません。

どんな強い風が吹いても全て公認記録として残ります。

 

なぜ投擲種目には追い風、向かい風の記録がされないんでしょうか?

その理由は、

・向かい風が絶対的に有利

という確証がないからです。

 

先程もお伝えしましたが、確かに向かい風によって揚力を生み出し、やりが飛行機のように落下しにくくなるのは事実です。

 

しかし、選手にとっては、追い風を得意とする選手も多いです。

ちなみに僕は追い風の方が得意でした。

 

僕はどちらかというと助走スピードを武器にして、やりを投げていたので、向かい風が強いとそもそも武器である助走が進まないのです。

助走は明らかに追い風の方が進むので、追い風の時の方が僕は記録が良かったです。

 

また投げのタイプによっても得意不得意が分かれてくるんです。

例えば、風を切り裂くような鋭い槍を投げる選手は向かい風、ふわっと浮き上がるようにしてやりが飛んでいく選手は追い風が得意な傾向にあります。

 

このような点から、やり投げに限らず投擲種目では風向きで勝敗を決めるのはフェアではないということから、追い風、向かい風の記録がされないんです。

 

まとめ

今回の記事のポイントは、

・やり投げにおいて向かい風が有利とされる理由、揚力を生み出すから。
・短距離や跳躍種目のように追い風、向かい風の記録がされない理由は、向かい風が絶対的に有利だという確証がないから。

の2点です。

やり投げにおいて向かい風は有利とされてますが、必ずしも有利というわけではありません。

その理由は単純で、向かい風を得意とする選手もいれば、追い風を得意とする選手もいるからです。

 

しかし、向かい風が得意だからといって全く同じ条件で試合があるとは限りません。

その日によって風の条件っていうのは変わってくるんです。

どのような条件の中でも、ベストなパフォーマンスができる選手こそ、一流の選手と言えるでしょう!

是非今回の記事を参考に風の特徴を意識して練習に取り組んでみてはいかがでしょうか?

 

 

次回の投稿もお楽しみに!!!