・なぜやり投げに股関節の力が必要なのか。
・股関節を鍛えるトレーニン方法。
やり投げ種目において、爆発的な力を生み出すことが記録を伸ばしていくには重要です。
この爆発的な力を生み出しているのがどこだかお分かりでしょうか?
肩の力かな?
と思われた方も多いと思います。
実は、やり投げにおいて爆発的な力を作り出しているのは、股関節の力なんです。
助走の運動エネルギーと体重の位置エネルギーが右の股関節に貯蔵されます。
ここから右股関節にのった体重を左の股関節へ移し替えていくことによって爆発的な力がやりに加わり遠くに飛んでいくわけんです。
左足の接地と同時に蓄えた力を一気に解放し右股関節を閉じ、体重を軸となる左股関節へ移動させます。
右の股関節は伸びながら内に捻られている状態へとなっていきます。
右股関節を閉じた回転力と左の股関節から受ける地面反力の力によって、骨盤を回転させ、上半身だけで回転力を作り出すよりもより強い力が生み出されるのです。
脱力できている場合、槍と腕の質量により、末端部をその場に留めようとする慣性力が働きます。
肘のしなり具合からも相当な慣性力がかかっている状態になります。
股関節から伝わった力と慣性力により胸部と肩部、腕部が物凄い力で引き伸ばされていることによってやりにも強い力が伝わります。
このように、やり投げにおいて爆発的な力生み出す思ったら、上半身だけの力では作り出すことは不可能なのです。
そりゃ、ゴリラくらいの力があったら別ですけど、物理的に不可能に近いです。
外国人選手は、日本人選手よりもパワーもあり、この股関節の動きも上手なため、記録も遠くに飛ばせるというわけなんです。
そこで今回は、やり投げの投擲動作に必要な股関節を鍛えるトレーニングについてご紹介していきます。
股関節を鍛えるトレーニング
今回僕がご紹介する股関節を鍛えるトレーニング方法は、
・バーベルスクワット
・オーバーヘッドスロー(メディシンボール)
の2つです。
それぞれの種目を1つずつ解説していきます。
バーベルスクワット
1、肩にバーベルを担ぎ、肩幅と同じくらいに足を開く。
2、腰をゆっくり下ろしていく。
3、太ももが床と平行になったところで止める。
4、かかとに体重をかけて腰を前に突き出すイメージで立ち上がる。
バーベルスクワットは、股関節だけを鍛えるだけでなく、やり投げに限らず投擲種目に最も必要な下半身全体を鍛えてくれるトレーニングです。
しかし、このバーベルスクワットを行うにあたり注意点があります。
それは、
通常スクワットは、膝を曲げて行うトレーニングと思っている人が多いと思います。
しかし、股関節を曲げるように意識するだけでより強い力スクワットを行うことができるのです。
スクワットは、膝関節と股関節の屈曲、伸展を繰り返す動作なので、投擲動作に似たような動きをするため、おすすめの種目です。
オーバーヘッドスロー(メディシンボール)
1、メディシンボールを頭上に構え、足は肩幅くらいにして立つ。
2、体を反り、下半身から上半身の連動でメディシンボールを投げる。
3、投げる時は、肩甲骨を使うようにする。
このトレーニングは、股関節主導で行うことにより、爆発的な力を生み出す練習をするトレーニングです。
このトレーニングにも注意点があります。
股関節を完全に伸展させ、投げる瞬間に屈曲することによって、爆発的な力を生み出すことができます。
こうすることによって、爆発的な力を生み出すことだけではなく、体重も前に載せることができるため、股関節の動きを意識してトレーニングしてみましょう。
まとめ
今回の記事で重要なポイントは、
・やりを投擲する際に股関節を上手く使うことによって、爆発的な力を意味出すことができる。
・股関節を鍛えるトレーニングは、バーベルスクワットとオーバーヘッドスロー(メディシンボール)がある。
・バーベルスクワットは、膝関節を曲げる意識ではなく、股関節を曲げる意識で行う。
・オーバーヘッドスローは、股関節を完全に伸展させた状態から投げる瞬間に急に屈曲させることによって爆発的な力が生まれる。
今回は、やり投げの投擲動作において必要な股関節を鍛えるトレーニングについてご紹介してきました。
なかなか股関節を意識して練習している選手は少ないかと思います。
しかし、股関節を上手く使うことによって爆発的な力を作り出すことができます。
普段の練習でウェイトトレーニングを行い基礎的な筋力は鍛えてると思います。
そこで今回ご紹介した、股関節を鍛えるトレーニングをプラスして行ってみてはいかがですか。
股関節を鍛えて、記録向上を目指していきましょう。
バイバイ!